最近、テレビやネットで
「ゆるブラック企業」という言葉を目にしたことがあるかもしれません。
ブラック企業と聞くと、
休みが少ない、残業が多い、パワハラがある。
そんな分かりやすい過酷さを想像します。
一方で「ゆるブラック」は、少し違います。
残業はそこまで多くない。
休日も一応ある。
人間関係も、致命的に悪いわけじゃない。
それなのに、働く人は静かに消耗していく。
業務に手応えがない。
やりがいを感じられない。
身につくはずだと思っていたスキルが、いつまでも形にならない。
楽なはずなのに、なぜか将来が不安になる。
「ゆるブラック」は、サボれる環境ではない

誤解されがちですが、
ゆるブラックは「楽をして給料だけもらえる場所」ではありません。
仕事はちゃんとあります。
むしろ、真面目な人ほど仕事を引き受けます。
日々の業務は回っているし、評価もゼロではない。
ただ一つ、決定的に欠けているものがあります。
「この経験が、将来の自分にどうつながるのか」という実感です。
忙しすぎないから、考える余裕が生まれる。
考える余裕があるから、疑問が湧く。
「この仕事、3年続けたら何が残るんだろう」
「この業界で、どんな専門性が積み上がるんだろう」
この問いに答えが出ないとき、人は不安になります。
将来が不安になるのは「危機感がないから」ではない

よくある誤解があります。
「ゆるブラックで辞める人は根性がない」
「恵まれているのに贅沢だ」
でも実際は逆です。
将来が不安になる人ほど、
自分の時間とキャリアをちゃんと結びつけようとしている。
ブラック企業で限界まで追い込まれている人は、
「辞めたい」しか考えられません。
一方、ゆるブラックの中にいる人は、
「このままでいいのか」を考える余地がある。
これは怠けではありません。
思考が止まっていない証拠です。
僕の一言(体験談:楽なはずなのに、未来だけが空白だった頃)

僕にも、まさに「ゆるブラック」と呼べる時期がありました。
残業はそこまで多くない。
怒鳴られることもない。
休日も取れる。
表面的には、かなり「恵まれている」環境だったと思います。
仕事もできていました。
任された業務は回せていたし、
周囲から「安定してる」と言われることも多かった。
それなのに、ある時から心の中にずっと違和感が残り続けました。
「この先、自分は何者になるんだろう」
忙しさで誤魔化せない分、
この問いが毎日のように浮かんでくる。
新しいことに挑戦しようとしても、
「今はそのタイミングじゃない」
「前例がない」
そう言われて終わる。
結果、やっていることは数年前と大きく変わらない。
会社としては安定している。
でも、自分の中では何も積み上がっていない気がする。
ある日ふと、こう思いました。
「この環境に10年いた自分を想像できない」
その瞬間、
ここに居続けることの方がリスクだと感じたんです。
逃げたいわけじゃない。
楽をしたいわけでもない。
ただ、未来が空白のまま時間が過ぎていくのが怖かった。
ゆるブラックは「静かなキャリア停止装置」になりやすい

ゆるブラックが厄介なのは、
すぐに壊れるわけではないところです。
生活は回る。
心身も、ギリギリ壊れない。
だから決断が遅れる。
でもその間、
市場価値は横ばい。
選択肢は少しずつ減る。
気づいたときには、
動くハードルだけが上がっている。
だからこそ、不安を感じた「今」が一番大事です。
まとめ:将来が不安なのは、あなたが現実を見ているから

将来が不安。
会社や業界の先が見えない。
それは、あなたが弱いからではありません。
ゆるブラックという環境の中で、
自分の人生をちゃんと考え始めたから生まれた感覚です。
この不安は、敵ではありません。
次の一歩を考えるための、健全な違和感です。
無理に今すぐ答えを出さなくていい。
ただ、この違和感だけは無視しないでください。
それが、
自分をすり減らさずに働くための最初のサインだからです。


コメント